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中年女性とシミ

お肌は内臓を映す鏡です

肝臓、副腎、卵巣の手当て女性ホルモン回復させよう

梅雨が上がると、日差しがぐっと強まります。そんな夏の外出には、帽子とサングラスが片時も離せないというご婦人方も多いことでしょう。日焼けやシミを気遣う女心と解せば、うなずけることです。肌を美しく保ちたい (いまさら目鼻立ちはとやかく言えないし) と、女性は万感を込めて思っています。今回は中年女性にとって憂うつなシミについて書いてみようと思います。

日光にさらされますと、肌は褐色になります。これはメラニン色素が出て、皮膚の下の層を紫外線から守る、いわば防衛反応です。若い時代は時がたつにつれ、自然に薄くなって元の色白に戻ってくれますが、中年にもなりますと、このメラニン色素が居すわって、シミになります。色素の居すわる場所は不規則ですが、左右対称にできるのが特徴です。目、ほお、額にでき、境界がはっきりとしています。生理前になると濃くなることもあります。

特にホルモンのバランスが悪くなっていると、この傾向は顕著です。ではホルモンのアンバランスとメラニン色素とは、どのようにかかわっているのでしょう。

女性には思春期、出産期、更年期という3つの大切なホルモンの働きが変わる時期があります。この時を上手に乗り越えないとシミとの縁が切れなくなってしまいます。例えば過労や睡眠不足、中絶、卵巣摘出などにより女性ホルモンは足りなくなります。そのバランスを保とうと間脳に指令が行きますが、その指令が間脳から脳下垂体に、不足している女性ホルモンを出すよう命じます。その時脳下垂体が女性ホルモンだけを分泌してくれればよいものを、やっかいなことに同じ場所にあるメラニン色素刺激ホルモンも同時に刺激してメラニン色素を分泌するため、シミ肌の原因になるのです。

このホルモンと大きくかかわっている臓器として肝臓、副腎、卵巣があります。肝臓はホルモンの原料を作り、副腎はホルモンの種分けをし、卵巣は女性ホルモンを分泌するという役割をもっています。

お肌は“内臓の鏡”などといいます。特に、肝臓の働きが悪くなるとシミができやすくなります。出産回数が少ない人は、瘀血(おけつ)という血液が肝臓で分解されにくくなります。これが、シミ肌の原因となります。その外、薬物 (抗生物質、サルファ剤、血圧降下剤、鎮痛剤、合成ホルモン剤) も肝臓に負担をかけシミをつくります。副腎は自律神経を調整する働きがあるので、精神的な悩みやショック、イライラなどがあるとホルモンが乱れやすくなります。

以上がホルモンや内臓とシミとのかかわりですが、自律神経失調症の人や冷え症の人にシミが多いということや、化粧品に負けやすい人などは、肝臓や副腎に抵抗力がなくなっているためということもうなずけると思います。

では、シミにならない予防や養生はどのようにしたらよいのでしょう。答えは簡単です。女性ホルモンを回復する生活を心がけるの一言につきます。

まず肝臓や副腎、卵巣の手当てを十分することです。そして皮膚が刺激をうけない化粧品を使い、血液がきれいになるよう食事を正すことです。きれいな血液はきれいな肌をつくりますから、新陳代謝を促す繊維質のものや核酸食を十分とることです。

また精神的な面では、男と女の本質的な相違を思い違いしてか、女性の生活が男性化していることも影響していると言えなくもないのです。例えば女性言葉のすたれ、ジーパンの普及、自動車の運転、男性の職場への進出など、私達が知らぬ間にじわじわと女性の生活が男性化しています。出産回数が少なかったり、出産しない人が増えているのも一因です。そして女性の社会的責任がますます大きくなっている昨今、肝臓や副腎が疲れる原因がいくらでもあるのです。

こうした状況下で、シミからさよならをするには、睡眠を十分にとり、肉体および精神的な疲れを回復すること、さらに女性らしい優しさや艶やかさ、柔和さ、母性、妻らしい感情を忘れないで過ごすことが大切ではないでしょうか。